総務省報道資料より。携帯電話の植込み型医療機器(ペースメーカ等)への影響について、今回1.7GHz帯W-CDMA(HSDPA、イーモバイル)と2GHz帯cdma2000(EV-DO Rev.A, au by KDDI)について調査が行われ、以下の結果が得られたとしています。
(1)1.7GHz帯W-CDMA:ペースメーカ、除細動器いずれにも影響は確認されず。
(2)2GHz帯cdma2000:ペースメーカへ影響を与える距離が1cm。除細動器への影響は確認されず。
添付資料には実験方法の詳細が記述されており興味深いです。この中で過去の実験結果についても言及されており、W-CDMAのすべてとcdma2000のほとんどにおいて影響距離が3cm以内(800MHz帯cdma2000で8cm以内)とのこと。ただしPDC携帯電話が市場に残っていることから、やはり「携帯電話と植込み型医療機器は22cm程度離すこと」というガイドラインは妥当という結論です。
調査および結論は至極もっともで、「22cm」は妥当だと個人的にも思います。植込み型医療機器を利用されている方は、自分自身が携帯電話を使う際の安全確認や、電車に乗るときの自衛の意味でこういう資料を読んでおくといいかもしれませんね。
さて、こう考えていくと、首都圏鉄道などで言われている「優先席付近では携帯電話OFF、それ以外はマナーモード」というマナー啓発は科学的根拠を持った妥当なものといえるでしょう。一方「とにかく医療機器への影響が考えられるので、無条件で車内では電源OFF」という啓発の仕方は少し危険かなと思います。「無条件電源OFF」という言い方をすると、本当に危険のある距離はどのくらいなのかという情報が乗客に伝わらないため、携帯電話はとにかく危険だと思ってしまう人と、「このくらい大丈夫だろう」と思ってしまう人に二極化してしまうことが考えられるためです。
リスクがある以上啓発は必要です。ただ、根拠を伴わない啓発は人々に誤解を生み、実効的な対応ができなくなると思います。皆さんはいかがお考えでしょうか。


