3.9世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針案等に対する意見募集 (総務省)
現行の携帯電話を上回る、100Mbps以上の通信速度を実現すると言われている第3.9世代携帯電話(3.9G)の周波数割り当てに関して、総務省から意見募集が出ています。大枠をざっくり理解するには別紙1(PDF)を読むとよいと思います。
3.9Gで割り当てが想定される周波数は、1.7GHz帯に10MHz幅で1社、1.5GHz帯に10MHz幅で2社、15MHz幅で1社の計4社となります。ただし1.5GHz帯の15MHz幅については、デジタルMCAが帯域再編する平成26年3月末まで、東名阪などでは展開できないことになります。高速通信をするためには帯域幅が広い方が有利ですが、より広いバンド幅は後にならないと空かないわけで、この辺り携帯電話各社がどの椅子を取りに行くか、戦略が見物ですね。個人的には(一刻も早く3.9Gを始めたい)docomoが1.5GHz帯の10MHz幅、(すでに1.7GHz帯で展開している)EMOBILEが1.7GHz帯に行って、KDDIとSoftBankが残りを争うという形になると予想しますが、さてどうなることか。
アイピーモバイルが過去に割り当てられたまま破産した結果、空き地となっていた2GHz帯についても、改めて15MHz幅を1社に割り当てる方針が出されました。ただこの帯域はTDD前提なので、携帯電話キャリア4社は手を挙げないと予想します。対象方式にモバイルWiMAXと次世代PHSが含まれているので、こちらはUQとWILLCOMの争いになるのではないでしょうか。
ともあれ、3.9Gに向けて帯域割り当て方針が示されることで、3.9Gの導入が現実的になってきました。コモディティ化しつつある携帯電話にあらたなイノベーションをもたらすことができるか、ケータイ好きとしては大いに注目したいところです。