中国PHSサービス終了へ ユーザー不在の当局決定で広がる波紋 (IT PLUS)
中国版PHSの「小霊通」が2011年末までに終了するという話題です。
「小霊通」は安く使える携帯電話として、中国に7000万人のユーザーを抱えていますが、その利用している周波数帯(1900~1920MHz)が中国独自企画3G「TD-SCDMA」の利用する周波数帯(1880~1900MHz)と隣接しているため、2011年末までに周波数帯を開放するように中国の省庁が通達したとのこと。
日本でもPHSの周波数帯は3Gの周波数帯に隣接しており、隣接している1920~1925MHzはガードバンドとなっている一方、2012年5月31日を期限にPHSの制御チャネルを低い周波数のほうにずらすことが予定されています。しかし日本の場合は2001年から周波数移転を議論して2012年期限で移行を行うのに対し、中国の場合は2011年末までの周波数再編を2009年に通達しているわけで、中国らしい唐突さというか強引さというか。PHSを利用する7000万ユーザーは今後携帯電話に移行することになりますが、キャリア同士のユーザー争奪戦が活発化しそうです。
見逃せないのがWILLCOMへの影響です。日本のPHSユーザーはせいぜい450万人程度であることを考えれば、中国の7000万ユーザーの市場規模はPHSを下支えするうえで魅力的だったでしょう。そのPHS最大市場である中国が消滅することが確実となった今、PHS市場全体が縮小することは確実で、カーライルの増資撤回と併せてWILLCOMにとっては逆風となるでしょう。なんとか踏ん張って次世代PHSを離陸させてほしいところですが、途は険しいですね。