私が正月休みでたまたまYouTubeで動画を見てしまって以来「前に進めなくなって」しまった「秒速5センチメートル」。この記事ではいよいよ第3話「秒速5センチメートル」に登場するガジェットを見ていきましょう。
※この話題は三部作(プラスアルファ)となっております。こちらもご覧ください。
・その1:時系列まとめと第1話「桜花抄」編
・その2:第2話「コスモナウト」編
・その4:漫画版第9話編
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【第3話「秒速5センチメートル」】
物語の舞台となっている(2007年~)2008年は、携帯電話で言えば
・アメリカでiPhone発表
・SoftBankの「ホワイトプラン」
・EMOBILEサービス開始
と、だいぶ最近の出来事になり、DoCoMoでいうと2007年の年末に「ワンセグ・国際ローミング・HSDPA」を全部載せして大ヒットとなった905iシリーズが発売されています。
そんな事を踏まえて、劇中の携帯電話を見ていきます。まず映画版には貴樹と、3年間付き合って別れた女性・理沙の携帯電話が登場します。このくらいの時期になるともうだいぶ記憶もはっきりしていて特定しやすいですね。まず貴樹の携帯電話ですが、WILLCOMの「WX310K」です。
貴樹はウィルコマーだったんですねw。SEだったということで会社支給かなと思いつつ、理沙からメールが着信して電話を取り上げる場面に離職証明書が写っている(つまり退職後)ので私物の様子。端末には「WILLDOM」というキャリア名w。でもロゴはWILLCOMのまんまw。ちなみに同じ画面には「C++プログラマのためのCOM入門 Windowsシステムプログラミング」という本も写っています。貴樹は小説版では携帯電話関係の開発をしていたことになっているので、この本は自己啓発でしょうかw。
一方の理沙が使っているのは、これも特徴のあるau by KDDIの「talby」ですね。
さらにちなみに、貴樹のメールアドレスは「pdz.ne.jp」で終わっており、理沙のメールアドレスは「risa1219@ezwev.ne.jp」と、実在のドメインとは微妙に違っています(そりゃそうだw)。メールアドレスから推測するに理沙の誕生日は12/19でしょうかねw。
ここでちょっと気になるのが端末の発売時期。WX310Kは2005年11月25日、talbyは2004年11月23日の発売。物語の舞台が2008年ということを考えると、貴樹も理沙も物持ちがいい感じです。まあウィルコマーの貴樹は変えたい端末がなかっただけかもしれませんし、talbyユーザーは長く使いそうですしね。
一方の漫画版では、貴樹の携帯電話がDoCoMoの「P705i」(2008年1月25日発売)、理沙がau by KDDIの「W61CA」(2008年2月1日発売)となっています。
これらの端末だと、機種変更したばかりと想定すればぎりぎり舞台の設定に間に合う感じです。漫画版にするにあたってそのへん見なおしたんでしょうかね。ちなみに漫画版で貴樹と理沙が電車内でメールをやり取りする場面で、件名が「Re:Re:」となっていたのはP端末の挙動ですかね。このままやりとりを続けると「Re:Re:Re:…」とすごいことになりますw。
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以上、ブログ記事3本にわたって、「秒速5センチメートル」に登場したガジェットを追ってきました。こういう取り上げ方しか出来ないのは、自分がまだ完全に「秒速5センチメートル」のなんともやるせない物語を受け入れきれていないことの現れでもあります。現在進行中の漫画版では映画・小説では描かれていなかった内容も描写されているようですし、今までより救いのあるエンディングを迎えて欲しいと思ったりしています。ただあの欝エンディングあっての「秒速5センチメートル」という話もありますからね…漫画版がどのように着地するか、今から楽しみです。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。「これはおかしい!」とかありましたら、ツッコミいただければ随時再検証して修正をかけていきたいと思います。