「マルチタッチ操作はアップルのもの?」 – iPhone関連の特許をめぐって大騒ぎに (WirelessWire)
今日いきなり降って湧いたこの話題、私が見た記事の中ではこれが一番事態を正確に表しているように思います。
Appleがマルチタッチ機能を持つデバイスに関する広範囲な特許を取得したので、今後競合他社に技術の使用を禁止したり訴えたりライセンス料を請求したりといった圧力をかけるのではという内容です。問題になったのはアメリカの特許「#7,966,578」です。
それではこの特許がどのようなものか、ざくっと英語の原典(このページ自体厳密には原典でないですが)を読んでみました。「What is claimed is:」に記載されているこの特許の主張は、別のコンテンツをフレームのような形で含むフレームを指で操作する場合、1本指ならばコンテンツ全体がスクロールし、2本指ならばフレームの中だけがスクロールするという操作のようです。これってずいぶん昔のiPhoneから実装されてますよね(有効に使われている事例をあまり知りませんが)。
「What is claimed is:」には非常にたくさんの項目が書かれていますが、これは指の本数が違う場合の定義やコンテンツの種類(WebページやOffice文書や地図と広範囲に定義)方法そのもの・ユーザーインタフェース・端末という特許の範囲など、特許に漏れがないよう様々なケースについて延々と書いているだけで、本質的には上記の内容以上のものはなさそうです。
個人的には今回の特許で「Appleがマルチタッチの特許を広範囲に押さえた」とは思えないのです。その意味ではWirelessWireの記事中に登場するNilay Patel氏の主張が一番近いのかなと。
個人的には2009年に取得済みの「#7,479,949」のほうがより具体的にiPhoneの知財を守る内容になっているのかなと感じますが、皆様はどのように思われますか?