700/900MHz帯移動通信システムに係る参入希望調査の結果の公表 (総務省)
周波数再編に伴い、移動通信システム(要するに携帯電話)への割り当てが予定されている700MHz/900MHz帯への参入希望調査が8/31まで行われていましたが、その結果が公表されました。
docomoとKDDIが「900MHz帯または700MHz帯において15MHz幅×2」、SoftBankが「900MHz帯において15MHz幅×2」、EMOBILE(EACCESS)が「900MHz帯において15MHz幅×2、700MHz帯に置いて10または15MHz幅×2」となっています。
この希望を深読みすると、docomoとKDDIは「700MHz帯に逃げても(=割り当てが少し遅れても)いいですよ」的な、SoftBankは「700MHz帯に浮気することはない、今すぐ使える900MHz帯を今すぐ使いたい」的な意志が比較的はっきり見えますね。1.5GHz帯が手付かずで残っているdocomo/KDDIと、すでに1.5GHz帯を整備してしまったSoftBankという事を考えても、この3社の意図は妥当性がある(=役人も納得しやすい)のではないでしょうか。
EMOBILEはプラチナバンドを手にして競争力を強化したいという意図はわかりますが、900MHz帯も700MHz帯もと読み取れる希望はちょっと無理があるかなと。現状1.7GHz帯でエリア構築を本当に頑張っている感じもしませんし(地方とかスカスカですよね)、ある意味SoftBank以上にまずは現行バンドでの実績が求められるのかなと。あるいは「希望だから出すだけ出しとけ」的な感じなのか。また自分では「900MHz帯も700MHz帯も」的な希望を出しておいて、その他の意見で「700/900MHz帯の一方の帯域の認定者は他方の認定を受けられないようにすることも考慮」とか書いてあったりするのも整合性を欠く感じです。
その他割り当ての審査に留意して欲しい事項として、SoftBankは「800MHz帯を割り当てられていない事業者を優先」、EMOBILEは「SIMフリー端末比率」などを上げており、通常運転だなとw。
さて希望が出揃った次の段階としては、各事業者に希望通りに割り当てられるのかが気になるところですが、過去の資料では700MHz帯が730-770MHz、900MHz帯が890-913と915-950MHzとなっています。
このままだと700MHz帯と900MHz帯でそれぞれ15MHz幅×2がせいぜいではないでしょうか。つまり4社のうち割り当てを受けることができるのは2社? BWAの時のようなドロドロの争いがまたおこるのでしょうか。
個人的に勝手なことを言ってしまえば、
・900MHz帯:SoftBankに割り当ててEMOBILEにMVNO
(現状EMOBILEの回線をSoftBankが借りている逆パターン)
・700MHz帯:docomoかKDDI
(周波数逼迫度からはdocomo有利?)
という感じはどうだろうと思っています。新しい周波数帯域は新しいサービスを生みます。周波数獲得競争のヒートアップにケータイマニアとしては注目していきたいところ。