「Google ドライブ」で話題沸騰のGoogle 利用規約を個人アカウント向けとGoogle Apps向けで比べてみた


4/25に公開されたGoogleのオンラインストレージ「Google ドライブ」、公開直後に「利用規約が危険すぎる」と各所で話題になってしまい、本格的に使っていいのかどうか迷う状態になってしまいました。そこで問題の利用規約を、個人アカウント向けとGoogle Appsアカウント向けで比べてみました。

まず大前提として、この記事は「~だから安心して使える」とか「~だから危険、使うな」という結論を出すものではありません。あくまで比べるだけです。判断は各ユーザーが自身の責任で行う必要があります。

また今回比較する利用規約はGoogle ドライブ単体のものではなく、Googleサービス全般に共通して適用されるものである点に注意が必要です。そのため例えばこれは危険と判断して「Google ドライブは使わないでおこう」となったとしても、GmailやPicasaなど他のGoogleサービスを使っていれば結局同じ「危険」を抱え込むことになってしまいます。「危険」を回避する手段はすべてのGoogleサービスを使わないことだけです。

では見て行きましょう。まずは個人アカウントから。

Google 利用規約 (Google)

あまりに有名になってしまった問題の一節は「本サービス内のユーザーのコンテンツ」に記載されています。
※改行・下線は筆者が追加

本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。

このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。

このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネス リスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。

なるほど文章の意味を素直に取るならば、Google ドライブにアップされたファイルをGoogleが「使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布」しても文句は言えないような文言になっていますね。

ただしこうも書かれていて、

本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。

Googleがユーザーのコンテンツを奪うわけではなくあくまでユーザーのものと定義されています。ユーザーのものなんだけど「本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発」のために「使用、ホスト、保存(ry」しますよという内容ですね。

ではGoogle Appsの方はどうなっているでしょうか。

Google 利用規約 (Google)

それっぽいことは「4. 所有権」-「お客様の権利」に書かれています。
※改行・下線は筆者が追加

お客様は、Google のサービスを通じて一般ユーザーに公開することを目的としてコンテンツを送信、投稿、表示することにより、Google のサービスを表示、配布、または普及促進する目的で、Google のサービスの当該コンテンツを複製、改造、変更、公開、配信できる全世界的、非独占的かつ使用料無料のライセンスを Google に付与することになります。

Google は、お客様が Google のサービスを通じて送信、投稿、表示したコンテンツをパートナー サイトに掲載し、また Google が提供するすべてのサービスで当該コンテンツを使用する権利を留保します。また、Google は、独自の裁量で、コンテンツの受諾、投稿、表示、送信を拒否する権利を留保します。

こちらでは「Google のサービスを通じて一般ユーザーに公開することを目的としてコンテンツを送信、投稿、表示」した場合に「Google のサービスの当該コンテンツを複製、改造、変更、公開、配信できる全世界的、非独占的かつ使用料無料のライセンスを Google に付与する」とあります。こちらでは「一般ユーザーに公開することを目的として」というライセンス付与の明確な条件定義があり、公開しない場合はこの限りではないと読めます。

こちらでもやはり以下のような記載があって、

Google は、Google のサービスを通じてお客様が送信、投稿、表示するコンテンツを所有または管理する権利を主張するものではありません。お客様または第三者のライセンサーは、Google のサービスを通じて送信、投稿、表示されるすべてのコンテンツの特許権、商標権、および著作権を有します。また、お客様は、それらの権利を必要に応じて保護する責任を有します。

あくまでもコンテンツはユーザーのものと定義されています。

なおGoogle Appsには上記以外に以下の規約文章があります。こちらには上記のようなGoogleへのライセンス付与に関する記述はありません。

Google Apps(無償版)契約 (Google)
Google Apps for Business(オンライン)契約 (Google)
Google Apps for Education 契約 (Google)

またGoogle Appsの規約が適用されるのは「コア Google サービス」(Gmail、Google カレンダー、Google サイト、Google トーク、ドライブとドキュメント)のみで、それ以外のサービスについては個別の規約(個人ユーザー向けと同じ規約)が適用される点に注意が必要です。Google ドライブは「コア Google サービス」に含まれます。

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これだけ読むとGoogle AppsアカウントでGoogle ドライブを使えば少しは安心なのかなあ…とも思いますが、画面とか使い勝手とか見る限りインフラが分離されているとは思えず、結局同じポリシーで運用されてしまう気もしなくもなく。便利なものを無料で使える以上、サービス提供者が何らかの利益を見えないところで得ているのは当然で、ユーザーはそれを是とするかどうかの判断が求められるのは間違いないでしょう。

ただ最初にも書きましたがこの規約はGoogleサービス全般に適用されるものなので「危険だからGoogle ドライブは使わないでおこう」という人がGmailなどを使い続けるのは何の危険回避にもならない点を強調しておきたいところです。

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