iPhone 5s/5cの周波数対応、言うほどSoftBank不利ではないのでは?


NTTドコモ、au by KDDI、ソフトバンクモバイル――新しいAppleのスマートフォン「iPhone 5s」と「iPhone 5c」の各社の対応周波数帯をチェック (S-MAX)

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「iPhone 5s」「iPhone 5c」発表後、各社のLTE対応が話題になっています。

docomo:800MHz帯・1.7GHz帯(東名阪)・2.1GHz帯
au:800MHz帯・2.1GHz帯
SoftBank:900MHz帯(2014年春スタート予定)・1.7GHz帯(EMOBILE)・2.1GHz帯

巷では周波数の低い、いわゆるプラチナバンドで当面LTEをサービスできないSoftBankが不利で、逆にプラチナバンドをLTEのメインバンドとするKDDIが有利になり形勢逆転的な論調が多いようです。

ただ長期的に見れば、最終的にSoftBankは900MHz帯・1.7GHz帯・2.1GHz帯の3バンド(しかもローカルバンドではなく国際バンド)を全国で使えるわけで、iPhone対応の回線容量的には逆に有利になるのではと思っています。docomoの1.7GHz帯は東名阪限定ですし、docomo・KDDIの1.5GHz帯は日本独自バンドでiPhoneが対応するとは(将来的にも)考えにくいところです。さらにSoftBankには飛び道具としてAXGPも控えています(もっともiPhoneがいつ対応するかわかりませんが)。

逆に今回有利になったといわれるKDDIは、800MHzをメインバンドにしているが故、回線容量の確保が大変そうです。よく飛ぶ電波を使って大きなセルでがばっとエリアにしていくのはサービス開始フェーズでは有効ですが、ユーザーが増えてくると結局セルを分割しなければならず、インフラ整備の勝負になります。絶対的に使える周波数幅の合計が他社より少ないのも気になるところ。将来のiPhoneでTD-LTEがサポートされればWiMAX 2+を活用する目もありそうですが、それとてSoftBankにはAXGPがあるわけで圧倒的な差別化にはならないでしょう。

というわけで、個人的にはiPhoneの周波数対応については「最終的にSoftBankが有利になる」とみているのですがどうでしょうかね。SoftBankは900MHz帯LTEが開始できるまでの半年間、販売施策などを駆使していかに「他社に負けない」かがポイントとなりそうです。

SoftBankが明確に不利なのは、15MHz幅以上の連続帯域が使えないことでしょう(docomoは1.7GHz帯で、KDDIは2.1GHz帯で20MHz幅、150Mbpsのサービスを提供予定。ただしiPhone 5s/5cで利用する場合最大100Mbps)。キャリアアグリゲーションが使えるようになるまで、少なくともカタログスペックは他社に及ばないことになります。カタログスペックでNo.1をうたうのが大好きなSoftBankにしてみればつらいところですね。

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