【2019年3月25日更新】
問い合わせに対するAnkerからの回答を、記事本文に追記しました。
Anker PowerCore 10000 PD (Amazon.co.jp)
Ankerの「PowerCore 10000 PD」は、USB Power Delivery(USB PD)18W対応をうたう10000mAhのモバイルバッテリーです。
USB PD対応のモバイルバッテリーがぼちぼち入手できるようになってきましたが、 モバイル向け周辺機器メーカーとして評価の高いAnkerのこの製品は、USB PDの規格に準拠しているでしょうか。
測定にいくまえに、同梱品を紹介します。バッテリー本体の他に、キャリングケースとUSBケーブルが付属します。キャリングケースは簡易的なものですが、それでもあると便利です。USBケーブルはType-C to Type-Cで、Type-A to Type-Cは付属していないのでご注意を。
それでは測定していきます。測定ツールはいつものこちら。
この製品は、入出力兼用のType-Cポートと、出力専用のType-Aポートを備えています。まず、Type-Cポートの測定結果はこちら。
USB PD以外の急速充電規格には(USB標準のDCP 1.5Aを含めて)一切対応していません。USB PD 3.0対応で、PDO(電圧/電流のモード)は5V/3A、9V/2A、15V/1.25Aです。5V、9Vは、製品の仕様やUSB PD 18Wの規格と適合しますが、15Vは、仕様(1.2A)とは異なる電流値を通知しています。15V×1.25A=18.75Wとなり、18Wをオーバーするのは大丈夫なのでしょうか。
【2019年3月25日更新】
本件についてAnkerに問い合わせていましたが、以下のような回答をいただきました。定格の1.2倍までは仕様範囲内なので問題ないという見解のようです。
通常、製品の実際出力は定格出力の1.2倍以下でも仕様範囲内だと思われます。
当製品の場合、実際出力は≤21.6Wでも仕様範囲内でございます。15V×1.25A=18.75Wこの状態で利用しても問題がございません。ご安心ください。
Type-Aポートは、Apple 2.4Aに対応しているだけで、それ以外の急速充電モードは非対応です。なお、Type-Aポートは、最適な充電を行うAnker独自のPowerIQへの対応がうたわれています。
Ankerということで期待していたのですが、15V時の仕様不一致が残念なところです。USB PD対応のモバイルバッテリーは本当に難しい……。