少し前の話になりますが、ヨドバシカメラマルチメディア札幌にて、「USB PD正規認証品」をうたったACアダプターが、ラディウスとエレコムの2種類販売されていたので、両方とも買ってきてしまいました。早速測定して、USB PD規格への準拠を調べてみました。
「USB PD 正規認証品」とは、USB規格推進団体「USB-IF」が、USB-PD規格のテストに合格したことを表す、いわばお墨付きといえます。認証品には以下のロゴが付与されます。
今回購入したラディウスの製品はRK-UPS18、エレコムの製品はMPA-ACCP06で、いずれも正規認証品をうたい、上記のロゴも付与されています。なお、ラディウスはAmazon.co.jpで売っていないようなので、エレコムの製品だけAmazonリンクを置いておきます。
エレコム USB 充電器 ACアダプター コンセント USB TypeC PD対応 18W USB TypeC×1ポート 急速充電器 折畳式プラグ ブラック MPA-ACCP06BK (Amazon.co.jp)
いつも使用しているこちらの測定機器で、両製品を測定していきます。
【ラディウス RK-UPS18の場合】
測定結果は以下の通り。
USB標準であるDCPのほか、Qualcomm Quick Charge(QC)2.0/3.0に対応しています。USB PDの規格では、PD(とDCP)以外の急速充電に対応してはいけないことになっているのですが、USB規格準拠品をうたっている製品がQCに対応してしまってよいのでしょうか。一方USB PDは、製品スペックに記載がある5V/3A、9V/2Aのほか、記載がないPPS(Programmable Power Supply)にも対応しています。
QCの動作確認をしてみましたが、2.0/3.0のいずれの場合も、命令に従って電圧が変わることが確認できました。
PPSについても同様で、測定器からの命令で電圧を変更できました。
【エレコム MPA-ACCP06の場合】
USB DCP以外の急速充電規格には対応せず、PDOは5V/3A、9V/3A、15V/1.2Aと、USB PD 18Wの規格に準拠しています。製品スペックとも一致しており、さすがUSB PD正規認証品といえる安心感です。
【まとめ】
USB PD正規認証品をうたっているUSB PD 18W ACアダプター2機種を測定しました。エレコムの製品は測定した限りにおいてUSB PDの規格通りに挙動しましたが、ラディウスの製品は、 USB PD規格違反となるQCへ対応していたり、製品スペックに記載のないPPSに対応していたりと、少々怪しげな挙動を示しました。
USB PDの世界はまだまだ未成熟のため、規格に厳密に適合しない製品が市場に存在するのが現実です。ともあれ、消費者が安心してUSB PD製品を利用できるようになることが望まれます。