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700MHz/900MHz帯再編、ガラパゴス割り当ては回避されそう


700M/900MHz帯の再編方針固まる、FPUやラジオマイクを移行し最大100MHz幅確保へ (ITPro)

総務省のワーキンググループで検討されていた、700MHz帯・900MHz帯の再編骨子が提示されました。概要は以下のとおり。

・国際的な協調を図るため、700MHz帯、900MHz帯それぞれでペアバンドを作る
・900MHz帯は2012年までに5MHz×2、2015年までに更に10MHz×2を確保
・700MHz帯は2015年ごろから携帯電話での利用を目指す
・その他1.7GHz帯で10MHz、2.5GHz帯で30MHz、3~4GHz帯で200MHzの確保を目指す

この帯域については、当初700MHz帯と900MHz帯をペアバンドにするという、世界でも例の見ない利用が検討されており、またもや世界から孤立したいわゆる「ガラパゴス」になるのではという懸念がありましたが、今回の方針ではRFIDやMCA、ラジオマイクなどの帯域を再編して国際的な割り当てに合わせるという方向性が打ち出されたことは、個人的に大変喜ばしいことだと思います。

さて次に興味がわくのは、どの帯域をどの事業者が使うかです。現状帯域が逼迫しているSoftBankとEMOBILEが900MHz帯を争い、もう少し余裕のあるdocomoとKDDIが700MHz帯を使う感じでしょうか。SoftBankは(念願の)低い周波数帯が何としてもほしいでしょうし、EMOBILEも端末確保の観点から(欧州の割り当てと一致している)900MHz帯を使いたいことでしょう。争いは激しそうですが、700MHz/900MHz帯を通してみると携帯電話向けに十分な帯域が確保されているので、携帯電話マニアとしては余裕をもって見ていられる感じです。むしろ新しい帯域を生かした新しいおもしろいサービスがどんどん出てくることを期待します。

総務省がSIMロック解除を要請へ


携帯端末、全社対応型に…総務省が制限解除要請へ (YOMIURI ONLINE)

日曜日に公開されるこの手の記事お約束で情報源が明記されていないので、話半分に聞いておく必要がありますが、総務省が2010年末から発売される次世代携帯電話(LTEのこと?)を対象に、端末が使用できる携帯電話会社を制限するいわゆるSIMロックを解除するよう、携帯電話会社に求める方針を固めたとのこと。

この記事、見出しと記事内容でニュアンスが微妙に異なっていて、見出しだけ読むと新品の段階でSIMフリーにするように読めますが、記事のなかには

NTTドコモなどの携帯電話会社に、契約から一定期間がたった次世代携帯電話の端末について、希望者にはSIMロックの解除に応じるよう求める。

とあって、新品段階でSIMロックがかかっていて、例えば2年縛りなどが終了した段階でSIMロックを解除するようなイメージの書き方になっています。SIMフリーとSIMロックに関わる一連のビジネスに、書き手さんがあまり精通していないのではないかなあという印象を受けてしまいます。

iPhoneやXperiaのようなキャリアニュートラルな端末についてはともかく、それ以外の普通の携帯電話を「今の体制のまま」SIMロック解除をしたところで「docomoの端末をSoftBankで使えますよ~。ただし電話とSMSだけ」とか、「auの端末をSIMロック解除しましたよ~。でも日本でcdma2000を使えるキャリアはau以外にないので海外に転売(ry」とかおかしなことになりそう。次世代携帯電話(LTEのこと?)における端末仕様の統一化などもSIMロック解除とあわせて議論する必要がありそうです。

ともあれ、SIMロック解除を目的ではなく手段と捉え、ロック解除によってどのような状態を目指すのかまで含めた議論を関係者には望みたいです。「SIMロックを解除してはい終わり」では分離プランの時のように消費者にとってわかりづらいシステムになって終わってしまいそうなので。