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3.9Gの周波数割り当て決定、各社の戦略は?


3.9世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定 (総務省)

3.9世代携帯電話(3.9G)用として割り当てられる1.5GHz帯の電波について、docomo、KDDI、SoftBank、EMOBILEの各社が認可申請を行い、どの帯域をどの会社が取るか行く末が注目されていましたが、このたび正式に総務省のお墨付きが出ました。

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画像が小さくて申し訳ありませんが、1番(1475.9~1485.9MHz)がSoftBank、2番(1485.9~1495.9MHz)がKDDI、3番(1495.9~1510.9MHz)がdocomo、4番(1844.9~1854.9MHz)がEMOBILEとなりました。大方の予想通り、EMOBILEに1.7GHz帯、他社に1.5GHz帯が割り当てられた形になります。

4社の中ではdocomoだけ15MHz幅と他社より広い帯域幅が割り当てられていますが、3番のうち1503.35MHz~1510.9MHzは、平成26年3月31日まで東北、信越、北陸、四国、沖縄でしか使えないため、当初は5MHz幅のみで運用開始することになります。docomoとしては、当初は2GHz帯でLTEをスタートする予定なので、最初多少帯域幅が狭くても最終的に広い帯域幅が使えるほうがいいと判断したのでしょう。確かにdocomoだったら、800MHzやら1.7GHzやらを調整すれば何とかなりそうですものね。

また、EMOBILEは現行の1.7GHz帯5MHz幅と連続の10MHzを確保できたのは非常に大きいですね。他者に先駆けて15MHz幅をフルに使った高速サービスを展開できる可能性があります。

今回の発表では、申請の段階では詳細が不明だった各社の開設計画も開示されました。

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この開設計画の段階で、EMOBILEは1.7GHz帯、docomoは1.5GHz帯の15MHz幅、他社は1.5GHz帯の10MHz幅ときれいに分かれており、今回の割り当ては出来レースだったんだなということが推測できます。おそらく申請の前段階で各社間で調整を行ったんでしょうね。まあ入札などではないのでこれでもいいのかもしれませんが。

この表を見ていると、各社の3.9Gに対する考え方のようなものを見て取ることが出来ます。docomoは20,700局を立てますが人口カバー率51.1%を見込み、対してSoftBankは9,000局で60.63%、KDDIは29,361局で96.5%をそれぞれ計画しています。docomoはFOMAを生かしつつLTEを導入する感じで、都市部の高トラヒックエリアに集中して基地局を打つのに対し、KDDIは800MHz帯も使ってLTEを広く展開して、cdma2000を早く何とかしたいという感じでしょうか。SoftBankはdocomoと同じように3Gを補完するプランなのでしょうが、基地局の配置は相当に粗い感じです。EMOBILEは現状のエリアの後追いで順当に拡大していく感じでしょうか。

方式についても、docomoとKDDIはLTE1本で行くのに対し、SoftBankとEMOBILEはHSPA、DC-HSDPAも活用します。興味深いのはSoftBankで、1.5GHz帯ではDC-HSDPAを、2GHz帯ではLTEを予定しています。2GHz帯をLTEとしたのは、NECやPanasonicに見られるdocomoの「お下がり」端末を狙ってのことではないかと勘ぐってしまいますがw。確かにdocomo向けの端末を安く持ってこれるのならばメリットはありそうです。

運用開始時期もよくよく見ると面白くて、EMOBILEは新しい帯域を2010年1月に、SoftBankは2010年4月にサービス開始しますが、3.9世代の導入はそれぞれ2010年9月、2011年7月となっています。つまり、新しい帯域をとりあえず現行方式(HSPA)でサービスインしておいて、あとから拡張していこうという作戦ですね。両社とも現状のネットワーク帯域がぎりぎりなので、とにかく新しい帯域を早く使いたいということなのでしょう。

docomoは3.9Gのサービス開始が2010年12月、1.5GHz帯のサービス開始が2012年第3四半期となっていて、3.9Gのほうが先になっています。2GHz帯で先にLTEをはじめて、1.5GHz帯を補完に使う作戦ですね。KDDIは3.9Gの開始も1.5GHz帯のサービス開始も同じ2012年12月、これは現状のcdma2000から、技術的系統の違うLTEにジャンプするために、事実上一気にネットワークを刷新する都合上仕方がないところですね。

ともあれ、各社の3.9Gに向けたロードマップがおおむね明らかになってきました。2010年の年末~2011年くらいには3.9Gが現実のものとして世の中に出てくることになります。個人的には楽しみなのですが、時期が微妙で端末の買い替え計画が悩ましい感じですw。各社とももう1回くらいは現行世代で買い換えて、つぎで3.9Gに買い替えという感じでしょうねぇ。

3.9Gの周波数は4社ともゲットできる?


3.9世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針案等に対する意見募集 (総務省)

現行の携帯電話を上回る、100Mbps以上の通信速度を実現すると言われている第3.9世代携帯電話(3.9G)の周波数割り当てに関して、総務省から意見募集が出ています。大枠をざっくり理解するには別紙1(PDF)を読むとよいと思います。

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3.9Gで割り当てが想定される周波数は、1.7GHz帯に10MHz幅で1社、1.5GHz帯に10MHz幅で2社、15MHz幅で1社の計4社となります。ただし1.5GHz帯の15MHz幅については、デジタルMCAが帯域再編する平成26年3月末まで、東名阪などでは展開できないことになります。高速通信をするためには帯域幅が広い方が有利ですが、より広いバンド幅は後にならないと空かないわけで、この辺り携帯電話各社がどの椅子を取りに行くか、戦略が見物ですね。個人的には(一刻も早く3.9Gを始めたい)docomoが1.5GHz帯の10MHz幅、(すでに1.7GHz帯で展開している)EMOBILEが1.7GHz帯に行って、KDDIとSoftBankが残りを争うという形になると予想しますが、さてどうなることか。

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アイピーモバイルが過去に割り当てられたまま破産した結果、空き地となっていた2GHz帯についても、改めて15MHz幅を1社に割り当てる方針が出されました。ただこの帯域はTDD前提なので、携帯電話キャリア4社は手を挙げないと予想します。対象方式にモバイルWiMAXと次世代PHSが含まれているので、こちらはUQとWILLCOMの争いになるのではないでしょうか。

ともあれ、3.9Gに向けて帯域割り当て方針が示されることで、3.9Gの導入が現実的になってきました。コモディティ化しつつある携帯電話にあらたなイノベーションをもたらすことができるか、ケータイ好きとしては大いに注目したいところです。