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SIMロック解除に対するキャリア各社の反応


総務省のSIMロック解除に対する各キャリアの反応は、解除に積極的な順で

EMOBILE = 日本通信 > docomo >>> KDDI、SoftBank

という感じでしょうか。あ、別に積極的=善、消極的=悪とか言いたいわけではないので念のため。EMOBILEや日本通信がSIMロック解除に積極的なのは、新しいプレーヤーとして既存の枠組みが邪魔くさいので当たり前。他社と違う方式を使わざるを得ないKDDIが消極的なのも当たり前ですね。

一方、いわゆる「ガラケー」の根源と見られることが多いコンサバなイメージのdocomoがどっちでもいいよ的なスタンスだったのと、既存の枠組みを取り壊すオープンなイメージのSoftBankが猛反発しているのが意外かなと。今この瞬間にも、SoftBank松本副社長の猛烈な反論Tweetが目に入ってきていますw。SIMロック解除となるとキャリアの競争力の源が端末からインフラにシフトしていくことになるので、資金力に任せて他社に優る豪華インフラを誇るdocomoは「自分が有利になる」、インフラの不利を端末を含めたサービスやアイデアで補填しているSoftBankは「自分が不利になる」と感じているのでしょうか。まあそんなに単純な話でもないでしょうけど。

それにしても昨日(4/2)1回ヒアリングしただけでもう方針を決めてしまうなんて、きっとヒアリングは「意見は聞きましたよ」というアリバイ作り、茶番ですね。最初から議論するつもりなんて総務省の方々にはなかったのだと思います。そこまで強引ならば、結果について総務省の人たちには首をかけて責任を持ってほしい。ダメだったら責任をとって総務省総辞職(?)するくらいの覚悟で進めてほしいです。

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昨日(4/2)行われた業界関係者などへのヒアリングを受けて総務省が打ち出した携帯電話のSIMロック解除。メディアの反応を集めてみました。競争が激しくなり消費者利益につながるという論調が多く見られるのですが、現在の各社端末が持っている独自仕様や通信方式の違いにより機能が制限される可能性まで突っ込んでいる記事はあまりないですね。まあ方針が出ただけの状態なので、細かい問題への対応はこれからすりあわせていくのでしょう。

ITproの記事には内藤総務副大臣によるより具体的なコメントが掲載されています。これによると基本的に今後発売される全ての端末についてSIMロック解除を可能にする一方、発売後一定期間はロックをかけることを認めるという感じです。この「発売後」が、新製品として発売されてからの期間を指すのか、消費者が端末を購入してからの期間を指すのか不明ですが、どちらにせよ「一定期間はロック、その後消費者からの要望に応じて解除」という運用になりそうです。

iPhoneやXperiaのようなスマートフォン製品はこの運用にうまく馴染みそうですが、それ以外の端末については結構複雑な事になりそう。長期的にはキャリア各社の独自仕様が統一規格に収斂して、同じ端末でどのキャリアでもフルサービスが提供できるようになるのかもしれませんが、それまでの間は「docomoの端末をSIMロック解除してSoftBankにMNPした、でも通話とSMSしか出来ないorz。おサイフケータイに入れているアプリどうしてくれるorzorz」的なことが起こるのもやむなしかと。

ついに日本のケータイもSIMロック解除!?


携帯各社に「SIMロック」解除要請へ 内藤総務副大臣が方針表明 (日本経済新聞)

今日(4/2)に携帯電話キャリアや消費者団体を集めて意見を聞いた結果の判断ということですが、ことの重大さからすれば判断早すぎないですか? もし本当にこれで決定してしまうのであれば、意見を聞くというポーズだけとって結論は最初から決まっていたような気もしないでもなく。

この件について業界関係者やらケータイマニアやらが今まさに喧々諤々という感じになっているようですが、正直(私も含めて)こういう人たちはSIMロックだろうがフリーだろうがなんとでも対応できるわけで、本当に考えなければいけないのは、純粋に携帯電話をただ使っているという大多数のユーザーにいかにSIMロック解除の事をわかりやすく伝えるかだと思います。分離プランの時もかえってわかりづらくなってしまった感がありましたので。

SIMロック解除がメリットがあると総務省が判断するなら、まず総務省が国民に対してそのメリットを説明するべきだと思います。それも「日本の端末メーカーの競争力云々」という視点ではなく、一般ユーザーにとってどのようなメリットがあるのかという点を。

SIMロック解除が消費者にとってどのようにメリットなのか、そのことによって得られるものは何か、失うものは何か、包み隠さずアピールするべきです。はっきり言えば端末は高くなるでしょう。端末が壊れてもキャリアは代替機を出してくれなくなるかもしれません(電気屋で買った固定電話が壊れてもNTTが代替機を出してくれるわけではないですよね)。そういうネガティブ要因を補って余りあるメリットがあるから、だから我々(総務省)はSIMロックを解除するんだと、責任を持って言って欲しい。

分離プランの時のように責任の所在がはっきりしないまま走り出して、結果に対して誰も責任を負わないというのはもうたくさんです。原口総務大臣には「SIMロック解除が政策として失敗だったら、私は政治の世界から引退する!」くらい言って欲しい。そのくらいの覚悟がなければやって欲しくないです。

あ、私はSIMロック解除反対論者では決してないです。むしろスマートフォンやデータカードについては(キャリアがサポートしないという前提のもと)SIMフリーにしていいと思っています。ただそうではない普通の携帯のユーザーがバカを見ないようにして欲しいと思っているだけで。「SIMフリーにしました、キャリアメールは互換性ありません、おサイフケータイは使えません、絵文字もダメです、一部使えない基地局があります、でも選択の自由が広がってよかったね」的な無責任なことにはなって欲しくないです。その辺を業界としっかりすりあわせて進めて欲しいなと思います。

総務省がSIMロック解除を要請へ


携帯端末、全社対応型に…総務省が制限解除要請へ (YOMIURI ONLINE)

日曜日に公開されるこの手の記事お約束で情報源が明記されていないので、話半分に聞いておく必要がありますが、総務省が2010年末から発売される次世代携帯電話(LTEのこと?)を対象に、端末が使用できる携帯電話会社を制限するいわゆるSIMロックを解除するよう、携帯電話会社に求める方針を固めたとのこと。

この記事、見出しと記事内容でニュアンスが微妙に異なっていて、見出しだけ読むと新品の段階でSIMフリーにするように読めますが、記事のなかには

NTTドコモなどの携帯電話会社に、契約から一定期間がたった次世代携帯電話の端末について、希望者にはSIMロックの解除に応じるよう求める。

とあって、新品段階でSIMロックがかかっていて、例えば2年縛りなどが終了した段階でSIMロックを解除するようなイメージの書き方になっています。SIMフリーとSIMロックに関わる一連のビジネスに、書き手さんがあまり精通していないのではないかなあという印象を受けてしまいます。

iPhoneやXperiaのようなキャリアニュートラルな端末についてはともかく、それ以外の普通の携帯電話を「今の体制のまま」SIMロック解除をしたところで「docomoの端末をSoftBankで使えますよ~。ただし電話とSMSだけ」とか、「auの端末をSIMロック解除しましたよ~。でも日本でcdma2000を使えるキャリアはau以外にないので海外に転売(ry」とかおかしなことになりそう。次世代携帯電話(LTEのこと?)における端末仕様の統一化などもSIMロック解除とあわせて議論する必要がありそうです。

ともあれ、SIMロック解除を目的ではなく手段と捉え、ロック解除によってどのような状態を目指すのかまで含めた議論を関係者には望みたいです。「SIMロックを解除してはい終わり」では分離プランの時のように消費者にとってわかりづらいシステムになって終わってしまいそうなので。